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アカガシラカラスバト 

学名: Columba janthina nitens

(ハト目・ハト科)

天然記念物。体は黒色で頭が赤みがかったブドウ色、首から胸にかけて光沢がある玉虫色をしている。鳴き声が牛の声に似ているところから昔は「ウシバト」といわれていた。島の開発やノネコなどの被害で数が減り、絶滅の恐れがある。

小笠原諸島の常緑樹林地に生息している。詳しい生態はわかっていないが、、ガジュマル、シマホルトノキ、クワ類、センダン、ムニンシロダモなどの木の実を主な食物とし、これらの樹木が多く生育している暗い森林に生息している。

現在は、小笠原諸島全体で十数羽しかいないと言われているが、数が減少した原因は、小笠原に人が住み始めた頃の、森林伐採によってアカガシラカラスバトの住処が奪われたことや、人が小笠原に持ち込んだ動物(ノネコ)に食べられたり、他の動物(クマネズミ)との餌の競合など、様々な要因があるとされている。

東京都は平成13年に、アカガシラカラスバトの数を増やすために、父島のアカガシラカラスバト3羽を東京都の温賜上野動物園に移して飼育を行った。
その結果、平成14年に初めて繁殖に成功し、現在(平成17年)は11羽が飼育されている。

一方、小笠原では、アカガシラカラスバトが自然状態で安定して存続できるように生息地域を柵で囲い込んでサンクチュアリーを作り、その中心地(コアゾーン)は立ち入り禁止、繁殖期にはその周りのバッファゾーンも立ち入り制限を行うなど、生息地の環境保全に取り組んでいる。
また、平成14年10月に初めてアカガシラカラスバトが島と島の間を移動していることが分かった。