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オガサワラオオコウモリ 

学名:Pteropus pselaphon

(コウモリ目・オオコウモリ科・オオコウモリ属 )

オガサワラオオコウモリは日本にいる数少ないオオコウモリ類の一種である。

天然記念物。 体長20〜25cm。全身が真っ黒で銀白色の毛が混じっている。オガサワラオオコウモリは、海を飛び越えて小笠原にたどりついた唯一のほ乳類である。
森林に生息しているが、畑にもやってきて、バナナを食べるなど環境の変化に適応してきた。島の開発やノネコの被害などで数が減り絶滅のおそれがある。


眼は大きく視覚と嗅覚がとても発達している。
しっぽはなく、前肢の親指は数センチほどで、ぶら下がるのに適している。

本種は父島・母島では夜行性だが、人の住まない南硫黄島では昼間にも飛翔・採食活動が観察されていて、本来は昼行性のコウモリである。
超音波を発信することなく、有視界飛行を行う。
繁殖は年1回、交尾期は春で、初夏に1仔を出産し、子がかなり大きくなるまで胸に抱いて行動する。


近年の状況は、母島では現状不明である。父島ではほとんど目撃できない。また、南硫黄島では1982年に数百頭の生息が推定されているが、北硫黄島での現状は不明、硫黄島では戦後の記録がない。